人生の底はどこに?

8年前に夫が失業してから生活が一変。これ以上は落ちないかと思いきや、転落人生進行中。自分を奮起させるためブログを始めました。

初めてづくしの派遣仕事

その昔、企業に勤務していた頃に派遣スタッフの方をお願いしていました。当時は派遣社員のイメージは今より華やかだったような。「働きたい時に働いて、契約期間が過ぎれば自由」といった部分が強調されていたし、時給も高かった。雨の日も雪の日も満員電車に揺られ出勤し、上司のパワハラやセクハラ(当時はそんな言葉はありませんが)に耐え、有給もろくに取れない正社員にとっては羨ましい働き方にも見えました。

ハケンの品格」の主人公のような「スーパーハケン」はさすがにいませんでしたが、それでも、数年企業で働いてきちんとしたスキルと社会常識を身に着けた方も多く、そういう派遣社員の方は新人の正社員をビシビシ鍛えてくれたりして頼もしかったものです。とはいえ、新卒で派遣社員を選ぶ人もいたのでスタッフさんの質はかなりばらつきがあったような印象です。

 

でも、これはオフィスワーク(通常はフルタイム)の派遣社員。私が登録できたのは単発の軽労働を主としている会社です。働きたいときに働けるのは有難いですが、基本が単発なので、その都度応募しなくてはならず、安定した仕事ではありません。軽作業とは言え、どの程度キツイ仕事かは行ってみないとわからないというのも不安材料です。

 

とは言え、やってみないことには先に進めないので意を決して就業することに。

仕事への応募は、募集のある仕事の一覧が前日か前々日くらいに派遣会社からメールで送られてくるので、自分が希望する仕事があれば応募するという方式でした。

 

倉庫内のピッキング作業

最初の派遣先(この業界では「現場」というらしい)は倉庫。リストにある商品を倉庫内の各所から見つけてきて段ボールに詰めるという作業。最初は慣れている方の倍は時間がかかっていたかもしれませんが、徐々に場所も覚え、コツがつかめてきました。

同じ派遣会社からの経験者の方が色々と教えてくれたのが心強かったです。ただ、立ちっぱなしの仕事はやはり老体に応えます。若い頃からこのお仕事をしている人と違って、無駄な力が入ってしまうんですね。1日終わるころにはクタクタでした。でも、派遣先の会社の方も皆さんいい方で、気分よくお仕事ができました。毎日は無理ですが、週に1回くらいなら働けるかも、と思いました。

 

製造ライン作業1

次のお仕事は化粧品のラベル貼りということでしたが、行ってみると化粧品の製造ラインのお仕事でした。流れてくる化粧品をフィルムに詰めたり、ファンデーションを容器に入れたり。単純な作業なのですが、とにかくラインの流れが早くて追いつかない。座ってできるので肉体的にはそれほどきつくありませんが、1日中、気を張っていなくてはなりません。でも、慣れている人は話をしながら余裕でやっているんですね。午後になると少し慣れては来るものの、無駄なところに力が入っているので体の色々なところが痛くなってきたりします。この会社には数回行ってますが、行くたびに違う仕事で、痛くなる体の場所も違います。

作業が不十分になってしまうと怒られます。当然なのですが、流れが早くて言われたことを全て確認することができないんです。初めての人にそこまで要求する?というくらい厳しいです。日本の製造業の品質管理がそれだけ素晴らしいということではあるのですが、それを単発のバイトや派遣の人が担うのはどうなんだろうという気もしました。でも、こういう仕事がないと雇ってもらえないのがジレンマです。

 

製造ライン作業2

次に行ったのはお弁当の盛り付けラインです。流れてくる容器にご飯やおかずを次々に入れていく作業。単純作業なのですが、これもラインの流れがすごく早くて追いつかない。でも入れそびれるわけにはいきません。とてもハードです。

1種類何百食のお弁当、終わると違う種類のお弁当が次から次へと流れてきます。そんなラインが数本。このお弁当は多分近隣のコンビニやスーパーに卸す分だけだと思うのですが、毎日これだけの量のお弁当が流通しているのかと思うと愕然です。見ているだけで胸もお腹もいっぱい。もうお稲荷さんは見るのもイヤという感じです。

興味深かったのはラインを担っているのは、7割くらいが外国人だったこと。国籍は不明ですが、現地語で話していたので同じ国の人達が多そうです。長らく就業している様子で皆さん手慣れています。早いラインにも楽々ついていき、単発派遣の私たちに「お姉さん、タマゴは端に入れて!」とか指示します。この日、何度「お姉さん~」と言われたことか。「おばさん」とは言えないので、誰でも「お姉さん」です。上手い言い方だなあと感心していました。

1日中立ち仕事、8時間の労働が終わるころには腰がガクガクです。その現場は駅から15分くらい歩くのですが、帰りは30分近くかかったような気がします。

 

軽作業のお仕事は想像以上にキツイです。今までヌクヌクと事務仕事をしてきた体が悲鳴を上げています。さて、この後、どうするか.....。